メトロポリタン歌劇場 ライブビューイングで「アドリアーナ・ルクブルール」見てきた

アドリアーナ・ルクブルールをちゃんと見るのはどうやらこれが初めてだったようです。

昔見たのかもしれないけど、
特に面白い作品だと思ったことはなく、
私も歌いますが、アドリアーナが歌う「私は芸術の下僕」というあのアリアだけが名曲として認識がある程度だったわけですよ。

ライブビューイングの鑑賞の仕方

鑑賞方法はいたって簡単です。

こちらのメトロポリンタン歌劇場ライブビューイングの公式サイトで上演映画館がしょうかいされていますので、お近くの映画館の上映スケジュールを確認して通常の映画と同じようにチケットを購入して鑑賞できます。

劇場や時間帯、演目によっては満席になることもあるので、事前の予約がおすすめです。

鑑賞の前日に予約しておけば見れないということはありません。

チケット代は3600円と映画より高めですが、
演出も歌手も一流の舞台ですから何回も見ていますが、高いと感じたことは一度もありません。

2月の演目は「アドリアーナ・ルクブルール」

タイトルロール(主役)は今世紀最大のプリマドンナと言っても過言ではないアンナ・ネトレプコです。

ライバル役のブイヨン公妃にはメゾソプラノアニータ・ラチヴェリシュヴィリです。

もうね、この二人本当に最高!

ものすごくかっこよかったです。

このアドリアーナ・ルクブルールというオペラがこんなに面白いオペラだったとは!!

面白いと思えたのは逆にいえば、それだけ、歌だけではなく、お芝居としても成立した舞台だったからだと思います。

歌手一人一人の演技力、演出家の才能、舞台美術などなど。

全てがトータル的に素晴らしかったので、アドリアーナ・ルクブルールという作品がこんなに面白かったのか!と思わせてくれたのだと思います。

やっぱりこのレベルで仕上がっていないとオペラの魅力は引き出せないわよね~

本当に素晴らしいので、是非見て欲しいです。

メトロポリンタンのライブビューイングでは幕間に主演する歌手たちにインタビューを行うのですが、今回ネトレプコはその幕間のインタビューを断ったとのことです。

アイーダの時は笑顔で幕間にインタビューに答えていましたので今回はそれだけ、大変な役柄なのだと思います。

3月8日からはカルメンです。
オペラABCとも言われるカルメンはオペラ初心者の方に見て欲しい作品です。

全てが豪華絢爛なメトロポリタン歌劇場ライブビューングから初めてみてはいかがでしょうか?

キャストも演出も最高だった

今回アイーダで素晴らしかったコンビ、ソプラノ ネトレプコとメゾソプラノ アニータ・ラチヴェリシュヴィリが今回もホントに素晴らしくて、こんなにすごい作品だったのかと驚きました。

テノールのピョートル・ベチャワも今回初めて聞いたのですが、すごい良いテノール。プロフィールにも「現代を代表するスター・テノールのひとり」と書かれているだけあり、美声なのに、安定感があって、聞いていて不安になるようなスリリングなところが全然ない。いとも簡単に歌っているって感じ。(テノールの歌はスリリングであることが多いと思うのは私だけではないはず)

ミショネ役のアンブロージョ・マエストリも良いバリトンでしたが、メトロポリタン歌劇場のライブビューイング、恒例の幕間のインタビューでイタリア語で答えようとしたらここは「アメリカだから英語でお願いします」と言われ、「いやイタリア語で答えるから訳してくれる?」とインタビューアーに言ったところインタビューをカットされ、ほかの人にインタビューにいってしまったのが地味に衝撃でした。笑

幕間に歌手にインタビューしておいて英語できないからって、「じゃ、いいや」的な対応って・・・ひどくない?

時間の問題があったようですが・・・。

アドリアーナ・ルクブルールという作品

フランスを舞台に女優である アドリアーナ・ルクブルールとその恋人 マウリツィオ、マウリツィオを奪おうとする恋のライバル ブイヨン公妃の三角関係です。

オペラにありがちというか、9割そうだと思うんですけどテノールのせいで女性に不幸の結末がやってくるというその手のタイプのお話なのですが、このオペラは3幕、4幕、音楽もお話もかなりスリリングで、面白い。

アドリアーナ・ルクブルールの死因が毒殺というのもなかなか他であまりない殺され方です。毒によって、だんだん死に向かっていくのを表現するのはなかなか難しそうです。

二時間ドラマをみているような展開に釘付けになりました。

過去多くの大歌手がメトロポリタンの舞台でこの役を演じたがったという話が、スタッフのインタビューの中でも紹介されましたが、それも納得です。

私も毒殺されて死んでいく芝居をしてみたいです。笑

演技力、歌唱力、美貌。三点揃わないと説得力がないので誰でも歌える役でないことが今回のメトのアドリアーナ・ルクブルールを見てよくわかりました。