蝶々夫人のある晴れた日にという曲に秘められた念の話

4月のコンサートで蝶々夫人の「ある晴れた日に」を歌います。

プッチーチ作曲で大好きな作品です。

この曲、日本でオペラ公演として蝶々夫人を見たときに意外とあっさり歌われているなぁという印象でした。

多分、蝶々夫人って大変な役だからこのアリアで歌い上げ過ぎると体力がもたないのかな。笑

以前読んだ指揮者の佐渡裕さんの本の中ではこの曲を振って指揮棒を下ろせなくなったよいうようなことを書いていらっしゃいましたが、ものすごくエネルギーのある曲だと思っています。

人が創り上げるものって想いが強過ぎると念の様なものを感じたりするでしょう?

この曲はそういうエネルギーがある曲だと思っています。

私の中でその上を行くのがアンドレア シェニエというオペラの「母を亡くして」という曲でこちらが第1位。

第2位が「ある晴れた日に」で、

第3位が運命の力というオペラの「神よ平和を与えたまえ」ですかね。

あくまでも、私のレパーリーの中から、私の感じるランキングです。世の中にはすごい曲が沢山あります。

私の中では念の強いアリア第2位ということになります。笑

蝶々夫人は一途過ぎる。

それゆえの執念というかが曲に乗り移っている。

途中ものすごく愛らしく歌う箇所があるのですが、状況を考えるとそれもまた狂気的に思えてきます。

すでに裏切られているのに、信じて待っている。

生きる力を失わないために自分に言い聞かせているという面もあるのかもしれません。

私にとって蝶々夫人というオペラが特別な理由がもう一つあります。

このオペラを現代版にしたミュージカル「ミス・サイゴン」という作品です。

この作品がきっかけで舞台を目指したという経緯がありますので、その元になった作品ということで他の作品とはちょっと違う思い入れがあったりします。

ただ、ストーリーは現代版になっていますが2つの作品の女性の描き方は少し違っているように感じています。

2人のヒロインはどちらも最後に自殺しますが、自殺に至る思考が違っているように見えます。

ただし蝶々夫人は演出によって解釈が異なるので、ミス・サイゴンに近い演出もあるのかもしれません。

個人的にはミス・サイゴンのヒロインに共感しています。

と、いうことで

そんな思い入れのある蝶々夫人を歌うので良かったら4月23日は遊びにいらして下さいね!