ホームページ制作の見積もりの値段が高くなるカラクリ

こちらの本を読みました。Webサイト制作の裏側を知ることはこれからとても大切なことだと思いますので紹介します。

 

ホームページの値段が「130万円」と言われたんですがこれって相場でしょうか?(竹内謙礼著)

この本はなかなか今までにない切り口でWebサイト制作が語られていてとても面白かったです。

元々Webサイト制作会社として起業しているので

あるあるネタ満載というか。本当に頷ける内容が多かったですね。

 

SEOのあたりは今私が感じている感覚とは少し違いましたけど、
でも、実際それくらいしないとダメなのかなーと

とても参考になりました。

“ネットを理解した優秀な人材はホームページを制作するとというストレスのかかる仕事をやらない”

と、いうようなことが書かれていましたが、

まさにその通りだと思います。

その結果、知ったかぶりしている人がWebサイトの制作に携わっているケースは少なくないのだそうです。

皆さん、気をつけましょうね~

Webの専門家が貴重な存在になっている

今、Webサイトをちゃんとディレクションできる人の数がものすごく少ないと言われているそうです。

Webサイトと一言にいっても

Webサイト制作、WEBプログラム、スマートフォン対応、SEO、SNSとの連携、など仕事が多岐に渡り、それらに精通するのは至難の技です。

私がWebサイト制作を撤退したのもこのあたりのことが大きく、現在はWebサイトの活用アドバイスに絞って仕事を受けています。

 

さて、この本でもテーマになっていますが

Webサイトを作ろうと思った時の「見積の金額がピンからキリまであるけどなんなの?違いはなんなのこれ???」

と、思われる方は多いかもしれません。

 

だって、素人でも最近は簡単に作れるようになっているのになんで何百万も払わないといけないの?おかしくない?という人は多いと思います。

Webサイトの制作をちゃんと知っている人ならそれが「まぁ、それくらいかかるよね」と思えるようなものでも、この裏側を知らない人にとっては実にわかりにくい世界だなと思います。

ただ、ここの理解の薄さが実はWebサイトの見積もりをはね上げているという事実があります。

 

私がWebサイト制作を撤退したわけ

あくまでも私のケースですが

どのように値段があがり、どのように撤退に至ったかを少し話します。

ホームページの制作始めた頃、

大体10万円~20万円くらいで制作を行っていました。

 

しかし、しばらくするとこの値段を少しずつ上げざるを得なくなります。

Webサイト制作でよく起きる事例

デザインの確認

制作「Webサイトのデザインこんな感じでどうですか」

担当「はい。素敵です~。」

制作「じゃ、これでコーディングに入りますね」

 

コーディング後

制作「ご確認をお願いします」

担当「ここにお花を飛ばしたいです~」

制作「へ??」

 

修正後

制作「お花こんな感じでよろしいですか?」

担当「なんか動きのイメージと違うのでとってください~
削除するから追加なしで大丈夫ですよね?」

 

これはちょっとイメージで書いてみましたけど、

こんなことが日常茶飯事で起きるのがWebサイトの制作。

 

その修正代金をいちいち見積変更して確認貰えばいいことでしょ?

と思われると思いますが、

 

あまりに重なりすぎると、

「もう、やっちゃったほうがマイナスが少ないな・・」と思えてくるんです。

修正の苦しみから逃れたい一心で、判断が鈍り出すのです。笑

小さく重なる理不尽な修正。

 

相手に理解してもらえるように追加になる作業工程を説明し、作業の負担と見積もりの整合性を伝えるのもなかなかの仕事なのです。

作業工程を無視した修正とかもかなり多いです。

 

作業工程を無視した修正

Webデザイン提案

制作「このようなデザインでよろしいですか?」

担当「はい。大丈夫です。よろしくお願いします」

制作「このあと次の作業に入るので、デザインの修正は今のうちにお願いします。よろしいですか?」

担当「はい。大丈夫です」

 

コーディング後

制作「こんな感じで仕上がっています。ページの動線などご確認くださいね」

担当「はい。」

 

修正の連絡

担当「すいません。上の者がこのデザインをこのWebサイトみたいにして欲しいそうなんですけど、できますか?」

(全然違うWebサイト)

制作「・・・」

 

これも一応作り話ではありますが、

似たようなことがおきます。本当にしょっちゅうおきます。笑

 

だって、追加料金もらえるんでしょ?

と思うかも多いと思いますが、一度作ったものをもう一度作る精神的ダメージ。

および、作り直しの見積でおきる、精神的な負担・・・。

 

見積が高くなるカラクリ

Webサイトと家の建築ってとても似ているのですが

一つ違うのは、家の建築の方がまだ、修正が可能な段階がわかりやすいということです。

柱も壁も屋根も出来上がった後で、やっぱり部屋の大きさ変えたいです。という人は少ないと思います。(居るのかもしれませんが・・・)

でも、Webサイトだとそういう人が結構多いということです。

 

Webサイト制作って裏では結構複雑な作業が必要です。

それがあくまでも裏で行われているので

ホームページの制作をチラシやワード文書の延長だと思っている人は少なくありません。

 

それから、Web制作業界のビジネスモデルも様々で

その様々なビジネスモデルがより状況をわからなくしているということもあります。

最初に安く(または無料で)作って、運用保守で回収する業者もいますし、

制作は制作でわけて考えている会社もあります。

 

「なんであそこの会社が10万円でできることが、ここだと100万円なんだ!!」と怒りたくなる気持ちはわかります。

 

全体像が見えないので、それがわからないのは仕方のないことであるとも思うんですね。

どこまで説明するかは専門的な話で、とても悩ましいところなのです。

 

そういう痛い目を見ているうちに保険として

「・・・次から見積、盛ってだそう」

 

ということになるんです。これがどんどん値上がりしていったカラクリだと私は思う。

 

つまり、Webサイト制作についてわからない人たちが依頼するかもしれない工数増加が見積に反映されているということなのです。

依頼してからではなく、説明面倒だし、いろんなケースがあるからもう全部乗っけとけーって見積もりを出すのです。

 

ちょっと理不尽なような気がしますが、世の中ってそういうこと多いですよね。

先日友人と助成金の話をしている時のこと。

「助成金ってなんでこんなに面倒なんだろう」と私が言ったら

「そりゃ、悪いことする人がいるから~」と、友人。

そう、悪い人のためにどんどん面倒になっていくわけです。

Webサイトの制作も実は似たようなことが起きているのです。

 

このようにして、多くのWebサイト制作会社は値段をあげるか、もしくは割が合わないと撤退する道を選びます。

で、最終的にかなり値段は高騰(適正価格で落ち着いたのかもしれない)して今にいたるわけです。

 

Webサイトを取り巻く環境は日に日に複雑になってきて、

ビジネスシーンで成果をあげるためには多くの知識が必要で

専門分野に分かれて多く人が関わるようになってきました。

その結果、その分制作金額もあがります。

 

だから、Webサイトを1から制作を依頼したら100万、200万はかかってくるものだと思います。

 

予算がない人のWebサイト制作はどうしたらいい?

そんな何百万も無理だよ。って方、予算がない場合簡単に作れるフリーのWebサイト制作サービスJIMDOやテンプレートが用意されたワードプレスなどあります。

ワードプレスはセキュリティ対策など行うことも考えると、少々ハードルが高いかもしれませんが、

私はこれらの活用をするのがいいんじゃないかと考えています。

1からWebサイトを制作すると骨組みにも結構なお金がかかります。ただ、骨組みはある程度、型みたいなものがあるのでテンプレートで最適なものを選ぶのでも予算が少ない、時間が少ない場合は、問題ないと私は思っています。

あとは、そのページの中にどのようにリンクを起き、

どのような文章を書くか。こちらの方が重要です。

これは熱意があれば、ある程度行うことができるのです。

Webサイトのブラッシュアップや、SNSとの連携、SEOなどのアドバイスにお金をかけて、制作はなるべく安くすませるというのがいいのではないかと思っています。